青春の輝き

~懐かしい良き時代の記憶~

ウイット、風刺、ユーモアの違いは何でしょう?

今や英語は、私たちの身の回りに溢れています。英語が得意でない人でも、英語を使わずに話して下さいと言われたら、困ることは間違いありません。分かり易く言えば、いわゆる「カタカナ」で書く言葉を一切使わないで話せますか?ということですね。外来語もあれば、勿論和製英語もあります。

しかし、いまや日本語になってしまった英語・・・と思われる言葉のほとんどが、そもそも和製英語。正しい英語であっても、その発音が日本でアレンジされているものは多いですね。バイタミンはビタミンですし、アンタイ・バイラスはアンチ・ウィルスとアレンジされて日本語になっています。そのまま話しても、欧米人には全く通じません。

今や日本語の一部になってしまった外国語。その正しい意味を調べてみれば、自分達が今使っている意味と全く違うということも少なくありません。英語学習者にとって、和製英語や日本流のアレンジを施された言葉は、親の仇のように憎むべきものかも知れません。

さて、問題です。「ウイット、風刺、ユーモアの違いは何でしょう?」

イギリスの首相、チャーチルがある女性から、「あなた、ひどく酔っぱらっているわよ。」と言われて、「君はとんでもないブスだね。でも、明日になれば私はしらふになるけど、君はブスのままだ。」と切り返したといいます。これはウイットに富んだ言葉の例です。

素早い頭の回転から瞬発的に生まれる気が利いた鋭い突っ込みを本領にするウイットは、相手を傷つけることも多いので、注意が必要です。しかし、ユーモアというものは、人間のどうしようもなさから滲み出る滑稽さであり、ほのぼのとした温かさや哀歓にくるまれています。

では解答を、ジェームズ・サーバーの言葉に見ることにしましょう。彼は、アメリカを代表するユーモア作家で、代表作は「虹をつかむ男The secret life of Walter Mitty)」(1939年)です。これは、日常生活では恐妻の知りに敷かれた無能でさえない駄目男だが、夢想の世界では英雄として活躍する中年男のペーソスを描いた作品でした。

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“The wit makes fun of other persons; the satirist makes fun of the world; the humorist makes fun of himself.”

「ウイットとは他人を物笑いの種にすることである。風刺は、世界を物笑いの種にし、ユーモアは自分を物笑いの種にする。」

よく知っていると思っている=「実は知っているつもり」にならないように、言葉には日頃から注意を払うべきです。重大な場面で恥をかかないようにしましょうね!